『ハロメンで不良マンガ書こうと思うんだがアドバイスくれ』第5巻 (保全原作7~9.5話)
シリーズ
原作
- 『ハロメンで不良マンガ書こうと思うんだがアドバイスくれ』第1巻(保全1~2話)
- 『ハロメンで不良マンガ書こうと思うんだがアドバイスくれ』第2巻(保全3~5話、マンガp1~p10)
- 『ハロメンで不良マンガ書こうと思うんだがアドバイスくれ』第3巻(保全原作6話)
- 『ハロメンで不良マンガ書こうと思うんだがアドバイスくれ』第5巻 (保全原作7~9.5話)
- 『ハロメンで不良マンガ書こうと思うんだがアドバイスくれ』第7巻(保全原作最終話)
漫画版
0: カラフル管理人。。。 [] 0000/00/00
工藤遥は天下のヤンキー校・モー商の新入生。
入学早々教室で2年とケンカをしていた所、突如校庭にスマ高が現れ、モー商vsスマ高の抗争が始まった。どうやらスマ高の頭・和田に飯窪がメールを送っていたようだが、その狙いは…?
譜久村は、実は旧知の仲であるスマ高の竹内と対峙し、田村には生田を、和田には佐藤と石田を差し向ける。
一方、スマ高の福田が刺客として放った勝田がひとり校内に潜入、工藤を瞬殺して体育用具室に閉じ込め、護衛のいない道重を強襲した。
工藤と飯窪は、ちょうど体育用具室で昼寝をしていた鞘師に助けられたが、鞘師は道重を助けに行かず、校庭に出て行った。
ぐぬぬぬぬ!悔しい!
でも何も言い返せずあの人の背中を見送るしかなかった。確かにその通りだ。
ハルは無意識の内に逃げてた。人に頼ってた。
でもそれじゃダメなんだ。そんなんじゃモー商の天下なんて夢のまた夢。
自分の信じる道は自分で切り拓いていかないと!!!
やるべきこと・・・いや、自分のやりたいことはわかってる。
たとえその力が無くても・・・ハルは道重さんを助けに行く!
「行くぞ!はるなん!」
何の戦力にもならなそうだがハル独りで行くよりマシだ。
ん?・・・あれ?
「やるべきこと・・・私のやるべきこと・・・」
はるなんは座り込んで虚ろな目で、ぶつぶつと独り言を繰り返している
なんだ?いつもの軽い調子で「私は喧嘩はしないから、アディオース!」とか逃げ出すかと思ってたのに
意外とあの人の言葉、コイツにも響いちゃってた?
ガタンっ!いきなりはるなんが勢いよく立ちあがった
おいやめろよ!思わずビビって尻餅ついちゃったじゃないか!
「ごめんどぅー!私、校庭に行く!」
え?何言っちゃってんの?まさかスマ高と戦うつもりか?よせ!お前死ぬぞ!おーい!
・・・はるなんはハルの方を見向きもせず、一目散に走って行ってしまった。
はぁ、しょうがねぇな・・・独りで行くか
地黒の保険医のキャンキャラした声が保健室に響く
「先生、女にはやらねばらならんときがあるのです!」
(スマ高が・・・)
(あのリーゼント強ぇ・・・)
(鞘師はどこ行ったんだ・・・)
(田中さんは・・・)
保健室に次々運ばれて来るモー商生
不穏な会話
こんなときに寝てられるわけがないんだろうね
こんな程度の怪我は何てことはない。
ただ階段で不覚を取って後ろから押されて転げ落ちただけのこと。
ビキっ!、足首に痛みが走る。何てことはない何てことはない。
保険医を振り払って、ガラガラっ!と保健室の戸を開ける
「鈴木香音!行きます!」
どすどすどす・・・いつもより多少よろけ気味だがどすどすと彼女は行ってしまった。
「・・・ふぅ、いいわね。若いって」
地黒の保険医は溜め息を一つついて懐から煙草を取り出した。
アタシ達にもあんな頃があったなぁ・・・モー商の黄金時代・・・(遠い目)
「どうしたぁ!もう終わりかぁ!オラぁ!」
恐れていたことが現実となった。コイツ、強か・・・
生田衣梨奈はリーゼント:田村芽実の伸びのある長リーチの打撃への有効な手立てを見出せないまま打ち合い
蓄積されたダメージとスタミナ切れもあって一方的に打ち負けるようになってきた。
脅威的な筋力を誇るナマタだが、その分燃費は非常に悪い。
短期決戦でカタをつけなればどんどん分が悪くなるのだ。
「オルァ!」
バキッ!田村の荒々しいハイキックがモロに頭にヒットし、足元がふらつく
倒れないのはさすがに鉄人ナマタだったがこのままでは時間の問題・・・周囲のモー商生達もざわめき始めた
(こ、こんなとこで負けるわけにはいかんちゃ・・・新垣さん、えりなに力を貸して下さい!)
一か撥か・・・ナマタは捨て身のタックルでの玉砕を慣行しようとしていた。
倒せなくても、せめてコイツにダメージを・・・
ざわざわざわざわざわ!!!おーっ!!!
突然、モー商生達のざわめきが一際大きくなった
ん?何ね?・・・もしかしてえりなタックルに行くのバレバレ!?
そうではなかった
「あぁん?何だありゃあ?」
田村のその一言で、ナマタは気付き、田村の視線のその先を見る。
「りほ!?」
固まっていたモー商生達が真っ二つに分かれ、道を開ける
まるで海を割って行進する聖者のように
暗雲を割って射し込む陽光のように
コロッセオの群衆の視線を一身に集める剣闘士のように
鞘師里保、降臨
・・・ぽん、とナマタの肩に手が置かれた。
「えりぽん、下がって。後はウチがやるから」
「でもりほ!」
いっつもそうだ!いいとこに出てきて美味しいところ取りよぅ!
悔しかった・・・でも動けなかった。
何より彼女の顔を見て少し安堵してしまった自分が情けなかった。
「なんだテメェ?その筋肉バカのお友達かぁ?」
「バカはお前だ。自分の置かれてる状況が分かってるのか?」
「なんだとオルァ!!!」
シュッ!伸びのある打撃。ナマタと打ち合ったとはいえその勢いは衰えてはいない。
へっ、貰った!
田村芽実はその不意打ち気味に放った打撃が、偉そうなモー商の新手にクリーンヒットすると確信した
その蛇のようなフリッカーパンチが容赦なく牙を向いてまだ構えも取っていない鞘師に襲い掛かる
無防備
誰の目にもそう見えた。毒蛇に噛み付かれ、英雄は非業の死を遂げる。
・・・でもそうはならなかった
短いですが保全7話終
平日はまとまって書く時間が・・・
保健医はだれよ。ごっちん?
522 : 名無し募集中。。。 :投稿日:2013/06/20(木) 02:26:41.83 0地黒と言えば石川さん
前スレは設定だけだったのに2ではこんなに面白い事になってたのか
鞘師は覚醒すると広島弁が出るキャラにしようぜ
「何っ!?」
当たったはずだ!でも手応えが無い・・・スレスレで避けられた!?
まぐれだ!実際当たる寸前だった。もう一発!
シャアッ!田村芽実は先程とは逆手の左パンチを連続で放つ
フッ
しかしまたパンチはギリギリで避わされた・・・ならこれでどうだぁ!!!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!!!」
左右連続、上下左右あらゆる方向からの高速フリッカーパンチ連打。
その八岐大蛇のような残像にスマ高、モー商両陣営から驚嘆の声が上がる
「なんじゃありゃあ!!!」
「いくら鞘師でもアレは・・・」
「アフターの動き・・・」
両陣営の驚嘆の声の中、ナマタが1人ボソっと呟く。
「オルァ!」
連打で足を止めてからの強烈なトドメの一撃・・・誰の目にもそう見えた。
しかしその一撃は鞘師の身体を捉えず、見事に空振りする。
肩で息をしながら田村芽実が吐き捨てるように吼えた
「な・・・なんだテメェはぁ!!!」
無傷・・・鞘師里保は無傷!!!
「なん・・・だと?」
「まさかアレを全部避けたのか!?」
ナマタは心の中で両陣営のその驚嘆の声に答える
(りほは・・・敵の攻撃を目を背けずに全部見とぅよ。ギリギリまで見て見切っとう。
見てからギリギリ最小限の動きで避わす・・・それがりほのアフターの動きっちゃ)
あのアフターの動きにはかつてナマタも苦杯を嘗めた。
実際のところ、入学式の日に初めて闘って以来ナマタは鞘師に一度も打撃をヒットさせたことがない
やけど・・・えりなはえりなの打撃が単純やから見切られてると思っとった・・・やけど違う!
ピッ!
突如、田村芽実の目の下の皮膚が裂け一筋の血がツーっと頬を垂れた
「なっ!?・・・テメェ!何をした!?」
ふぅ、と一息ついて鞘師が答える
「調整」
・・・は?何だって?
「挑戦って言ったか?今?」
「いや、調整だ。大体わかった」
調整?ウォーミングアップとでも言いたいってか!
(おっけー聖ちゃん・・・)
くんずほぐれつの掴み合い(のフリ)をしていた譜久村聖と竹内朱莉は
おもむろにバッ!と離れお互い構えを取った
「竹内流奥義!龍撃虎!」
「譜久村流合気柔術奥義!虎破龍!」
おーっ!と両陣営から歓声が挙がる。お互いに向かって駆け出す2人
「おおおらぁああああ!!!」
「とぉりゃあああああ!!!」
ぶんっ、と竹内が背を向けながら譜久村の懐に入った
スマ高陣営から歓声が挙がる・・・勝った!!!竹内さんの十八番!!!
鉄山靠
八極拳の流れを組む竹内流拳法の奥義。重心が低く、筋力のある朱莉が最大限の力を発揮出来る技だ
どごおっ!
重心を預けての背中からの体当たりをモロに食らった譜久村はそのまま吹っ飛ぶ・・・かに見えたが
「ぬぅん!」
譜久村は踏みとどまり、両腕で背を向けた竹内の身体をガシッとホールドすると上体を思いっ切り後ろに逸らした
今度はモー商陣営から歓声が挙がる・・・譜久村の投げ技!!!あれ?スープレックスって柔術なんだっけ?
ぽーんと後方に投げられた竹内の小さな身体が宙を舞い、背中から地面に叩き付けられる
ほぼ同時に、譜久村が大の字になってどーん!と地に倒れる・・・そのまま両者とも起きない・・・えっ!?相討ち!?
戦場の動きに真っ先に敏感に反応したのは福田花音であった。
タケちゃんがやられた!?・・・でもモー商側もなんかざわついてる?
めいめいの方はモー商側からもの凄い歓声が挙がってる。あっちもなんか起きてる!?
「余所見すんなって言ってんだろおかめ!お前の相手はこの石・・・」
ぶっ!
福田が有り得ない角度で放ったトラースキックは石田何とかの顔面をモロに捉えた
なかなか素早いけど動きが単純。コイツごときは敵じゃない。でも・・・
「オルァ!」
ととっ!背後からバットで襲い掛かってきた雑魚に足払いを食らわせる
どんどんモー商の雑魚がこっちに侵入してきてる・・・やはり戦力差的に厳しいか
「・・・うぉお!おかめー!」
バキッ!
再び起き上がってきた石田何とかに廻し蹴りを食らわせ福田花音はニヤリ、と笑った。
プーーーーーーーーーーーーーーーン!遠くから軽くて乾いたエンジン音が聞こえる
戦力差を考えればこの展開は想定の範囲内。助っ人ぐらいはちゃんと呼んであるんだよ
とびっきりの凄腕をね
プーーーーーーーーーーーーーーーン!
そのスクーターはモー商の校門を通り抜け、和田の横を横切り、福田の間近まで迫ってきた
とうっ!フルフェイスのヘルメットを被ったスクーターの主が飛び降り、福田の目の前に着地する
主を失ったスクーターはそのまま暴走し、前方のモー商の一団に突っ込み何人かの生徒に激突して煙を吹いて止まった。
窓の外から歓声が聞こえる・・・りほりほ、かな?それともれいな?
バシいっ!
強烈なローキックが鞭のようにさゆみの腿を叩き、思わず膝から崩れ落ちそうになる
「ふふふ・・・」
それでもさゆみはニヤニヤと笑っていた。はっきり言ってキモいよね、さゆみ。
ボッコボコにされてるのにこんなに笑ってるなんて
「・・・」
そんな不気味なさゆみを見てか単純な焦りか、刺客の顔に明らかな動揺が浮かんでいる
もう一押し、してみますか
「ふふふっ、外も盛り上がってきたね」
「・・・」
再びローキック、払うように放たれたそれに耐え切れず、さゆみは遂に床に無様に転倒する
「ここまできてまだアンタは気付かないの?」
「・・・?」
「さゆみはね、結局一度も主役になれなかった・・・」
ガッ!マウントを取られた。刺客が拳を振り上げる
「やっと総長になったと思ったら下に凄いのが入って来てね・・・今外でスポットライト浴びてんのが多分そいつ」
「・・・」
「笑えるでしょ?何が総長だよ。どんなに裏で上手く立ち回っても結局主役は強くて目立つ奴じゃん。フフフっ・・・アハハハハハハっ!」
「・・・黙って下さい」
途中、よろよろと階段を降りてくる影と擦れ違った
・・・今は構ってる暇は無い!
「おい1年!外はどうなってる!」
クソデヴ・・・そんな身体で何しに行こうってんだよ
「知るか!こっちはそれどころじゃねーんだ!」
「そもそもお前こんな時に何してんだ?まさか逃げんのか?」
ムカッ!ハルの決死の覚悟も知らねーで何ほざきやがる
「逃げるわけねーだろ!命懸けて闘いに行くんだよ!」
「ハァ?上で誰と闘うっていうんだ?どう見ても逃げてんだろーが」
『逃げねーよっ!!!』
もんの凄くムカついた。だからもんの凄く大きい声で叫んだ。
・・・一瞬の間の後、デヴがニヤっと笑った。
「そうだな、お前は逃げるような奴じゃない。ウチに向かってきて大怪我するバカだからな」
「うるせー!今はアンタと世間話してるどころじゃねーんだ!じゃあな!」
とっ!無視して階段を昇ろうとしたがデヴに掴まれ、ガッ、と肩を組まれた
やめろ暑っ苦しい!そして離せ!
「いいから先輩に話してみろや。力貸してやっから」
あああ!もうっ!めんどくせーなー!
保全8話終
この物語の主人公は、貴方です(嘘)
総力戦になってきた決着をどうつけるのか気になってきたぜ
面白い
漫画でもやはり鞘師は最強設定なのか
“百計”の道重さゆみ
“仏”の譜久村聖
“鉄腕”生田衣梨奈
“赤い閃光”鞘師里保
“重戦車”鈴木香音
“漆黒の小悪魔”飯窪春菜
“青い稲妻”石田亜佑美
“熊殺し”の佐藤優樹
“狂犬”工藤遥
“藤孔雀”小田さくら
“処刑人”和田彩花
“神童”福田花音
“浪花のゴリラ”中西香菜
“鬼”の竹内朱莉
“音無”の勝田里奈
“上州の牙”田村芽実
清水“キャプテン”佐紀
“猫手”の嗣永桃子
“黒足”の徳永千奈美
“横綱”須藤茉麻
“番長”夏焼雅
“摩天楼”熊井友理奈
“堕天使”菅谷梨沙子
“破壊神”矢島舞美
“人魚姫”中島早貴
“暴威”岡井千聖
“希代の天才”鈴木愛理
“秘密兵器”萩原舞
“春告鳥”宮崎由加
“謎のルーキー”金澤朋子
“ボス猿”高木紗友希
“女帝”宮本佳林
“爆弾娘”大塚愛菜
“通天閣”植村あかり
いま、このスレが一番楽しみ!
懐かしいな。南斗虎破龍と北斗龍撃虎。
飯窪の為だけにスマ高動かした和田は
このあと曲者の福田やまとまりのない竹内田村を
まとめていけるんだろうか
わくわく
福田の呼んだ凄腕の助っ人ってだれ?
退学になった小川か?!
620 : 名無し募集中。。。 :投稿日:2013/06/22(土) 12:16:47.62 P>>614
ふーちゃん の予感ゴホゴホ(喀血)
この小説の道重キャラ好きだわ
本物は特にそうでもないくどw
■田村芽実
須磨の特攻隊長1・風神
ケンカは自己流で粗けずりだが天才的。長いリーチと予測不能な動きで翻弄する。
■竹内朱莉
須磨の特攻隊長2・雷神
父が矢島系暴力団竹内組組長というエリート一家に生まれ抜群の身体能力とスピードをあわせもつ。
■勝田里奈
須磨の斥候担当
隠密行動が得意。いつのまにか相手の背後をとる能力にすぐれる。
田村、竹内にはかなわないもののなんでも器用にこなし戦闘力は高い。暗闇が苦手
■中西加奈
須磨の旗持ち・流血乙女
田村・竹内といつもつるんでる。二人のケンカ(じゃれあい)の巻き添えをくらいいつも流血している。
けんかはさほど強くはないが、根性があるため決して負けを認めず最後は相手が根負けする。
■和田彩花
須磨の総長
タイマンするときは、いつも仏壇を背負う独自のスタイル。温厚な性格だが、怒るとこわい。
群馬で田村に唯一土をつけたのがきっかけで田村が須磨に入ってきた。百式観音、菩薩掌が必殺技。
■福田花音
須磨の参謀。
謀略にすぐれる。勝田の直属の上司。和田に表面上は従っているが、なにか別の目的があるようにみえる。
■小数賀芙由香
須磨の死神
現在病気療養中。
689 : 名無し募集中。。。 :投稿日:2013/06/22(土) 20:17:16.24 0>>687
最後の落ちを書きたかっただけちゃうんかw
「さあ!早く殴りなさいよ!さゆみを倒して下の奴らに『道重さゆみを討ち取りました!』って大声で宣言して
英雄になりなさいよ!アンタは強い・・・陽の当たるとこでも充分やっていける!さゆみとは違う世界の人間よ!」
さゆみはマウントを取られながらも一気に捲し立てた。
乗られている者ではない、まるで上に乗っている者のような迫力で
「お願いだから黙って下さい!!!」
刺客が初めて大きな声を出した。
感情・・・声色も初めて感情を露わにしたように聞こえる。顔は相変わらずあんまり変わんないけど。
肩を震わせながら刺客が呟く
「・・・やり辛いですよ、そういうの。私は英雄になる気なんかありません」
「じゃあなんでここに来たの?」
「・・・スマ高の、みんなの笑顔が見たいと思った。ただそれだけなんです。天下獲りとか、英雄とかそんなの興味ありません」
「みんなの笑顔の為に闇討ちで自分の手を汚す?立派な覚悟じゃない。さゆみ尊敬するわー。さっ、早くやんなさい」
「なんで・・・なんでそんなに他人事みたいに言えるんですか!?貴方が倒れたらモー商の人達が悲しむんですよ!」
この子は優しい子だ。スマ高にはこんなに優しい子が居るんだ。
さゆみも昔はこんなだったなぁ・・・愛ちゃんの為、ガキさんの為、えりの為・・・
こんな子に討たれるならさゆみは本望。でも討たれてやる前に一言だけ言っとかないと
「アンタさ、もっと自分のこと大事にしなよ。誰かの為もいいけど自分の笑顔の為に生きないとさゆみみたいになっちゃうよ?アンタ見てて凄く心配だわ~」
「貴方こそ自分をもっと大事にして下さい!貴方はモー商の大将なんですよ!?敵の大将ならもっと大将らしく・・・」
ガラッ!
「道重さんっ!」
あら、いいとこでタイムアップ。空気読めよ~、1年
「勝田ぁあああああああああああああああ!!!」
べしっ!
ハルが走りながら放った飛び蹴りはマウントから立ち上がった刺客のミドルキックで軽く撃墜される
「ぐはっ!」
「アンタ、勝田って言うんだ・・・」
「・・・勝田、里奈です」
「やっと名乗ってくれたね」
???
なんなんだ道重さんは?刺客となんか呑気に会話してるし・・・ってそれどころじゃねぇ!
「うおりぁああああああ!」
立ち上がり、ハルは渾身の右ストレートを勝田里奈に放つ
スッ!しかしその一撃は軽く勝田の腕ガードに受け流される
キラーン!と勝田のつぶらな瞳が光った・・・ヤバい!
シュシュッ!シュッ!シュシュシュシュ!
左右の細かいコンビネーションジャブの連打
ハルのガードはそのコンビネーションにあっという間に突き崩され
まるでサンドバックのようにハルは連打を浴びる
痛ぇ・・・痛ぇよ・・・でも・・・ここで負けるわけにはいかないっ!
ビシッ!ハルがヤケクソ気味に放ったフックが油断していた勝田の頬を捉えた
当たりは浅い・・・でも、当たった!このまま!
「うぉおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーー!!!」
ガクッ、と両膝をつくハル・・・畜生・・・畜生・・・
勝田の放ったハイキックがハルの右ストレートよりも先にハルの側頭部を捉えていたのだ
「どぅー、相変わらずだね。弱いくせに無鉄砲すぎるよ」
勝田が呆れたような感じでクールに言い放つ
またぼんやりする視界でこいつの薄ら笑い顔を見ることになるとは・・・ぐぬぬ・・・畜生・・・
「どおっせぇえええ!!!」
その時、いきなり教室の外から突撃してきた太いシルエットの放った強烈な張り手が
バシンっ!と勝田の身体を咄嗟のガードごと窓側に弾き飛ばした
「鈴木香音、見参!ウチはそこのもやしと違って少しは強ぇぞ!がははははは!」
もやし・・・誰がもやしだこの豚肉が!
「もやしじゃねぇえええええええええええ!!!」
ハルは気合いで立ち上がった
もう意地だ、この豚にだけは負けねぇ!勝田を倒すのは俺だ!
勝田の背後は窓・・・逃げらんねぇぞ!
ニヤリ、と勝田がいきなり笑った。そして・・・
「道重さん、今度モー商とやることがあったらちゃんとタイマン申し込みますから」
「はぁ?受けるわけないじゃん。もしかしてさっきの本気にした?そんなお人好しじゃこれから苦労するよ~」
フフっ、と声を出して勝田が笑った
フフっ、と声を出して道重さんも笑った・・・なんなんだよこの2人は!
そして、倒れている道重さんの方を向く
ペコリ
なんだ?勝田は姿勢を正して丁寧に道重さんに一礼した
「お前何を・・・」
豚が言いかけたところで勝田はハル達に背を向けて窓に向かって走り出す
おい!何を・・・ここ3階だぞ!
勝田は床を蹴り、窓に向かってダイブした
「ちょ!何!?」
さすがの道重さんも慌てて飛び起きる
ハル達も窓へとダッシュする
ばふっ!
窓から乗り出して下を見る
・・・体育マット。何重にも重ねてある。
ぴったりそこに、勝田は飛び降り身を沈めた。
アイツ、脱出経路まで先に用意してたのか・・・
さすが元チームエッグの『サイレントアサシン』全く抜かりがない。
勝田は何事も無かったかのようにマットから起き上がると、スマ高本陣の方へ駆け出して行った
「鈴木!それから1年!」
ハル達は道重さんの声でハッ!と我に返る
「アンタ達ねぇ、いいところだったのにちょっとは空気読みなさいよ!」
え?え?空気読めって何?怒ってる?ハル達道重さんのこと助けたよね?
(どういうことっスか?)
(知るか!こっちが聞きてーよ!)
「・・・でも、まぁ一応礼は言っておくわ。有難う鈴木、それから・・・えっと?」
とんっデヴがハルの背中を小突いた
口パクで何か言っている・・・な・・・ま・・・名前か!
オホン!っと大きく咳払いしてからハルは名乗った
「天鬼組、工藤遥です!」
・・・道重さんがハルを見つめた後、口の端を上げてニヤっと笑う
「工藤、有難う。アンタ糞弱い割には気が利くわね。まぁもしかしたら校庭行くのが怖くて戻ってきただけかも知れないけど」
ちょ!この人は!
「違いますよ!ハルは必死で・・・」
「コイツが道重さんのピンチを教えてくれたんです!」
デヴ・・・否、鈴木さんがフォローを入れてくれた。あれ?もしかしてこの人すごくいい人か?
「分かってる!冗談よぉ~冗談。でも工藤、ここでやってくならもう少し鍛えないとね。腕力なしでやれるのはさゆみぐらいだから」
「ガハハハハハハハ!信じられないぐらい糞弱いからな、何なら一緒にちゃんこ食うか?先輩が鍛えてやるぞ?」
あー前言撤回。やっぱこの人糞デヴだわ。何がちゃんこだよ、もう!
道重さゆみを・・・あの人を私はどうしても殴ることが出来なかった
刺客の、あんなセコい仕掛け方した私にちゃんと人間として話をしてくれたあの人を殴るなんて出来ない
我が軍は・・・やっぱり劣勢か。ヤバいなぁ・・・
シュッ、シュッ、シュッ
音も無くモー商の雑魚達を倒して、里奈は敵陣を駆け抜ける
「おいっ!」
「何だアイツは!」
今はモー商の制服を着ている・・・これも不意打ちになるのか
セコいな、私
「なんねお前!」
確か・・・アレは生田衣梨奈。モー商では少しは名を知られてる奴。
私は初めて・・・
「スマ高2年、勝田里奈!生田衣梨奈、勝負!」
私は初めて敵に名を名乗った
正々堂々の勝負、これでいいんですよね?道重さん
「スマ高!?お前ぇえええええええええええええええ!!!」
ぶんっ!
シュッ!
コイツ隙だらけ・・・私は生田の大振りのパンチを軽く避けて
擦れ違いざま延髄にチョップを叩き込んだ
どんな筋肉バカだろうと、そこは鍛えられない
どさっ!生田が2、3歩前に歩いた後、つんのめって地面に倒れる
しかし里奈はもう生田のことを見ていない
そのまま前へとモー商生達を倒しながら風のように駆け抜ける
「めいめいっ!」
「うぉ!?りなぷー!おめぇ何してんだぁ!?」
めいが驚くのも無理はない、モー商の制服着てるし・・・
めいやタケちゃんは私が潜入していたことを知らない
知っているのは福田さんだけだから。
めいと対峙しているモー商生。
その背中がゆっくりと振り向き、鋭い眼光を里奈に向けた。
・・・・ぞくっ、何コイツ?凄い殺気、只者じゃないっ!
コイツは・・・ここで私が始末するっ!
「スマ高2・・・」
「お前が刺客か!」
名乗りながら襲い掛かろうとした・・・
しかしそいつの言葉、そして殺気に里奈の言葉は遮られた
マズいっ!里奈は直感で踏み止まり、後ろへと飛び退く
ビッ!
モー商の制服のネクタイの切れ端がふわっ、と宙を舞った
まるで、居合斬りのような手刀
モー商生が繰り出したその手刀にネクタイは途中から寸断されたのだ
危なかった。アレをモロに食らったら・・・
モー商陣営は騒然となった。クレイジーだ・・・なんだアイツは
「遅い~っ!」
「ゴメンゴメン、バイトで次のシフトの奴が来なくて・・・って!あぁ~っ!原チャが!」
福田に声を掛けられたフルフェイスヘルメットの助っ人は頭を抱えてガックリと項垂れた
「バイト代溜めて買ったばっかりだったのにぃ・・・」
「ちょっとアンタ、ククククク!相変わらずバカ!ククククク」
爆笑する福田を無視して、フルフェイスは立ち上がった
「モー商、絶対許さない!よくも私の原チャを!」
「いや、だからアンタが無茶するからでしょうが!ククククク!」
ヘルメットを脱ぎ捨て、走り出す助っ人。豹柄のパーカー、黒いキュロット。制服は着ていない
そして、背中から2本の真っ直ぐな棒を取り出し、クルクルクル!と回転させ始めた。
その回転する棍にビシバシと打たれ、次々と倒れていくモー商生達
「アイツ!」
「ミラクルスピンバトン!?」
「まさか・・・」
かつて、スマ高が周辺区域を席巻した時代。特攻隊長としてピンチケを率いて非道の限りを尽くした悪童が居た。
少し・・・いや、かなりその非道が過ぎ結局彼女はスマ高を退学となった。
非道な悪党ではあったが、その洗練された格闘センスと実力は周辺校の誰も認めるものだった。
「芸術家(アーティスト)」和田彩花
「聖拳」前田憂佳
「神童」福田花音
彼女らと並び称された・・・「天才」小川紗季である
「ちょ、待ちい!それは大事な旗や!返さんかい!」
「嫌です~、これはまーの物です~」
佐藤優樹は戦局を全く無視してスマ高旗を振り回しながら走り回っていた。
そして中西香菜はそれを取り返すべく、息を切らせながら後を追いかけていた。
「ん?」
どんっ!
「きゅ、急に立ち止まんなや!痛ったいわー!」
佐藤優樹が急に立ち止まり、中西香菜はその背中にモロにぶつかった
「うわぁ・・・」
どこか遠くを見つめる優樹の目がキラキラ輝き始める
「アンタなぁ!何考えとんねん!旗は返してもらうで!」
ポンっ!佐藤優樹は無造作にスマ高旗を放り投げた
うわぁああああ!香菜は慌ててそれをキャッチする
「アレ欲しい!まーにもくれよーーーーーーーーーーーー!」
ぴゅ~、と佐藤優樹は例によって風の如く走り去ってしまった
これがこの戦いにおける福田花音最大の誤算だった。
助っ人を呼んだことによって、とんでもない奴を戦場に復帰させてしまった。
そして本陣中央、和田への風穴を開けてしまうのである。
幸いなことに、モー商が優勢、敵に襲われることなく春菜はスマ高本陣前に辿りついた。
しかし、ここからである。
「ヒャッハァ!!!お前ら皆殺しだぁ!!!」
な、なにアレ?謎のバトンを振り回して戦う凄腕の人物によって
モー商生達がまるでゴミのように蹴散らされている・・・でもあそこを突破しないと!
だーいしは?まーちゃんは?居ないっ!見つからないっ!
大暴れするバトントワラーによってモー商前線が大混乱に陥っている
くっ、一か撥か・・・抜けられるか!春菜は覚悟を決めて、前線に突撃する。しかし・・・
「ハァ!そこのゴボウ、どこに行きやがるぅ~?行かせねぇよ!!!」
ちょ!見つかった!ヤバいヤバいヤバい!ええっとええっと・・・
「わ、私は親善大使です!和田さんのお友達の・・・」
「うるせーーー!誰だろうがモー商は皆殺しだぁ!!!原チャの仇ぃ!」
あわわわわ・・・この人話が通じない。話が通じないトチ狂った相手には春菜の話術は無力だ。
ぶんっ!春菜に向かって回転しながら振り下ろされるバトン
はうぅ!!!春菜は覚悟を決めて目を瞑る
・・・
あれ・・・?私、生きてる?何で?
「な、なんだテメーは!コラっ、離せ!」
「それ、まーにもくれよぉおおおおおお!!!」
まーちゃん!?まーちゃんがバトンを掴んで止めてる!ただのアホだと思ってたけど何ていい子なの!
保全9話終わり
絵師さんの和田さん突撃カッコいい
はるなんはるなんな和田さんならそう動くよね、普通w
乙です
まーちゃんは予測できんかったw
今回は読み応え十分だな
りなぷー強すぎてワラタw
佐吉ー
バトン攻撃ワロタw
豚肉ともやしの相性の良さは異常
wwww
おもしろいなあw
あやちょは最終的にはから揚げ投げつけてくる
強さの格付けが非常によろしい
楽しみにしてます
手刀を繰り出したモー商生がニヤリ、と笑った。
「誰がバカだコラ!りなぷー!そいつはめいの獲物だ、手ぇ出さないでくれるか?」
背後で喚き続けるめいを無視してモー商生は言葉を続ける
「刺客風情にしておくのは勿体ないな。で、道重は殺ったのか?」
・・・!!このモー商生、総長を、道重さんを呼び捨てにした?
しかも道重さんがやられてもいいような口ぶり。何なのコイツは・・・
「おい!りなぷー!資格って何だ!?簿記の勉強でもしてたのか!?」
めいめい・・・ばくわらしそうなのを抑えて私は偉そうなモー商生を睨みつける
「ふふっ、だがお飾りの総長を倒したところで何も変わらない。この私が居る限りモー商は墜ちない!」
コイツが道重さんの言ってたスポットライト浴びてる凄い奴かな?
私は自然に構えを取った・・・何でかって?なんかイキってて超ムカつくから
いや、こんな厨二病やろーが天下獲るのとかってなんか見たくないっていうか、上手く言えないけど
「おいりなぷー!そいつはめいが・・・」
「めいは引っ込んでて!!!」
「ええっ!?あ、え?ええと・・・?」
こういう時、私は今までタケちゃんやめいに譲って自分はハイハイと引っ込んでた。
でも今回は違う。絶対譲らない。そんな私にめいも驚いてうろたえてる。
自分でもちょっと驚いてる・・・なんか初めて、自分の心の底から湧きあがってくるような何かに突き動かされてる
「じゃあ貴方を倒せばモー商はスマ高のものですね?」
909 : 名無し募集中。。。 :投稿日:2013/06/26(水) 19:01:14.94 0>>831
いーぞりなぷ~!
まだこのスレ残っててよかった
「譜久村さん、意識戻ったんスか?何してるんスか?」
あ~、下々のモー商民ども、うるさい。聖は救急車を呼ぶとか言ってテキトーに誤魔化した。
「いや、救急車ならウチらが・・・」
「大丈夫ですわ。かかりつけの病院から呼びますので。それと傷に響くので少し離れて静かにして頂けますか?」
聖は愚民達を遠ざけると緊張しながら発信ボタンを押した。
間に合うといいけど・・・
一方、スマ高側
聖に投げられた後、ピンチケ精鋭部隊の『竹内軍団』によって救出され自陣へと戻った竹内朱莉。
彼女もまた、何気に懐から携帯を取り出した。
「竹内さん、大丈夫スか?どこに電話を?」
「あ?うっせーな!家にだよ、巨人戦録画すんの忘れたんだよ!」
「あ、そうっスか・・・」
「あーお前ら、朱莉のことはいいから前線でモー商どもを1人でも多くやっつけてこい!朱莉の分までな!」
「押忍!行くぞお前ら!」
「おう!」
アイツら単純で助かった・・・朱莉もまた、アドレス帳ショートカットから発信ボタンを押した。
さて、間に合うかなぁ・・・
「どうする?どっちの味方する?」
比較的がっしりとした体格の屈強そうな派手顔の生徒が長身色黒の生徒に話し掛ける。
「スマ高と連合してモー商を潰す。悪い話じゃないけど・・・」
リーダー格と思われる色黒の生徒は方針を決めかねているようだ
「モー商とやるんだったらウチは抜ける。田中さんに弓引くなんてできない。それに福田とか信用できないよ?」
猿顔の生徒がきっぱりと言い放った
「ウチどうしたらええんやろ?鞘師と戦う?鞘師の味方する?あぁ、鞘師にはよ会いたいわぁ~、鞘師鞘師・・・」
関西弁の生徒は言ってることはよくわからないがとにかく鞘師のことしか言わない
「鞘師鞘師うっさい!アタシは別にどっちでも喧嘩れればいいよ」
おかっぱの生徒はとにかく戦えればいい好戦派のようだ
「鞘師?ぶっ○すりんっ♪」
透き通るような白い肌の黒髪細身の生徒は軽い調子ながらも、その黒目がちの瞳に昏い炎を宿して拳を握り締めた。
彼女らが何者なのか?・・・それはまた別の機会に
アデブレーベ、オブリガード
超短いですが保全9.5話終わり
次回多分決着します
しかしこのままではりなぷーが主人公になってしまう・・・
もうりなぷーが主人公でいいんじゃないかw
しかしJは思ったよりバラバラだな
巨人戦の録画クソワロタw
ベリキューは設定だけで出てこないのか
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1370782887/
コメント(2)
娘。がピュアすぎるから不良にしたいって事?
いいですねぇ!さゆの心理戦
このタイプですよね
この作家さんのハロメンのヤンキーキャラの設定、戦闘スタイル、自然にイメージングされます。
鞘師のアフターの動きを説明する生田の台詞なんか、生田の声で脳内再生されます。